2008年10月16日木曜日

Da Orvieto A Roma


しょっちゅう鳴る(15分おき?)鐘の音のせいで早朝に目が覚めた。


余りに爽やかに目覚めたので広場まで散歩に出た。
ドゥオモ広場には、人影も少なく、もちろんお店も閉まっている。
朝の冷たい空気をいっぱいに吸う。
掃除のおじさんが話し掛ける、寒いねー。


今日は午後一番の列車でローマに戻る予定なので、午前中いっぱいはゆっくりできる。
ゆっくり朝食をとり、だらだらとパッキングし、遅くにホテルを出た。


日曜の広場には観光客が集まり始め、アコーデオン奏者が陽気な曲を奏でる。
私達は荷物を並べてドゥオモの階段に座り、暖かな陽射しを受けながらただその雰囲気を楽しんだ。


昼近くになったので、Funicorale の駅まで小さなバスに乗った。
街が丘の上にあるため、鉄道の駅までケーブルカー(Funicorale:フニクリフニクラ♪のあれです)が走っているのだ。
観光客の団体を避けて15分後ので降りたが、
列車の時間にはまだちょっと早いので、駅の BAR で Caffe を飲む。
イタリアでは120円程度で美味いエスプレッソが飲めるのが、私には本当に嬉しい。







たった15分の遅れで列車がきた。
で、たった30分の遅れでローマに着いた。(笑)



とりあえず、また同じホテルの同じ部屋に Checkin してから街にでた。
駅のセルフカフェでランチをとり、また Caffe。
これ無しでは、もういられない!


地理感イマイチの3度目のローマ、ポポロ広場から中心街を歩く。
いやぁ、いろいろ店があって、ショーウインドゥが素敵で、なかなか前に進まない…。
もちろん、トレヴィの泉も行かなきゃ行けないし(またローマに来れるようにコイン投げなきゃね)、老舗のジェラートも食べないと。


ところで Calcio は日程のせいで見られなかったから、せめてと思い ASローマのショップに行った。結構カワイイ服が売っているのはさすが、買ったし。


7時を過ぎて日が暮れると、ローマも寒くなってくる。
買い物袋を抱えてスーパーに行き、お惣菜、チーズ、生ハム、ワインを買ってホテルで夕食。
郊外もいいけれど、やっぱり都会もいいと実感した一日だった。




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残る二日は、買い物しながら、定番のヴァチカン、フォロロマーノ、パンテオンなど名所を巡った。
一昨年来た時もD・ブラウンの「天使と悪魔」を思い出しながらあちこち廻ったが、もう随分ストーリーを忘れてしまった、やっと映画化されるようで今から楽しみだ。



広場でゆっくり Caffe もしたし、美味いものいっぱい食べたし、美味いワインも飲んだ。

ああ、今すぐにでも帰りたい、イタリア!



2008年10月5日日曜日

Totti di Orvieto


さて、雨もすっかりやんだ爽やかな朝。
みんなと記念写真を撮り、マンマのジャムを買ってCheck Outした。さ
あ、出発だ。


Orvieto に行く途中、Civita di Bagnoregio を訪れた。
川沿いの道から羊の放牧された丘を通り過ぎ、
山手を上り切ったところに Bagnoregio の街がある。
そこからさらに山手に行くと、崖っぷちに乗っかった不思議な集落が突然現れる。







一緒に行った友人が教えてくれた場所なのだが、ホントにまるでラピュタの城のよう。
"なんぢゃこりゃ!"
"頑張って登ってきてね(笑)"



昔は石造りだったらしい吹きさらしの長い橋を渡っていくと、そこだけがニョキっと空に向かっているのがわかる。
初めは街と繋がっていたらしい、長年の侵食でこんなふうになってしまったという。
足元が崖になっていて遠くに山々が見えるので、まさに空に浮かんでいる気分になれる。



Civita を去って Orvieto に着くと、Antonio さんとはここでお別れ。
Duomo のすぐ近くのホテルが今日の宿だ。
このホテルも最近改装したらしく、寝室もバスルームも清潔。
こじんまりしているが、天井も高くなかなかいい。


早速、散策にでた。
まずはすぐそこのドゥオモ。
サイドからはよくわからなかったが、正面から見るとファサードが素晴らしく綺麗だ。
高い丘の上のこの街は、小さな街だしワインが有名なことしか知らなかったが、
こんな素晴らしい建築があるなんて、やっぱりイタリアは侮れない!
中に入っても素晴らしく、意外だった私はぼぉーとしてしまった。
と、昨日のベルギーのご夫婦とばったり出会った。

"よい旅を!Buon viaggio!"







今は土曜の昼間、パイプオルガン奏者がリハーサルの途中の様子。
しばらく荘厳な音色に身を委ねることにした。

と、突然激しい旋律が始まった。
こ、これは…!ハードロック(プログレ?)ではないかっ!
激しいアップビートの三連が続き、激しいエンディング。
同じく聞いていた何人かが思わず拍手。
こんな音楽が教会で許されるんだっ。
地方だからなのか懐が大きいのか…。
ワクワクしてきたが、今度は「展覧会の絵」の演奏の始まったドゥオモを後にした。


深さ62mまで降りられる井戸なんかを一通り見て歩き、
標高のせいかかなり冷たい風に一日中吹かれて疲れた私達は、サラダをたっぷり食べ、
フルーツとワインを買って宿に戻った。

だらだらしているともう夕方だ。
昨日一昨日とご馳走を食べ過ぎたので、今晩はテイクアウトで済まそうと街に出た。
すると昼間とは打って変わり、メインストリートは人でいっぱいになっていた。
閉まっていた店も開き、活気に溢れている。
広場には大勢の若者がたむろっている。
そうだ、これが噂の Passeggiata だ。






イタリアでは朝と夕方に散歩をする習慣があるらしい。
散歩といっても歩くのが目的ではなく、人に会ってお喋りしたりGelatoを食べたりとにかくぶらぶらするのだ。
だから裏の路地には誰もいないし、メインストリートのある一角だけが賑やかなのだ。
意図しなかったものの、そんな街の人達の社交場を垣間見ることができて嬉しかった。


街の外れまで来て見つけた Bar でパニーノを買うことにした。
その店の店員が「みんな」男前だったからに他ならないのであった、ふふ。
特に店長らしき彼は、あのトッティに似た美しい顔立ちで吸い込まれそうな目をしていた。
しかもテイクアウトすると言うと、ものすごく残念そうな顔をして見つめ返すのだ。

"やばい、直視したら精気吸われるよ笑"


とにかく、サラミとルッコラのパニーノを作ってもらい、なんとか生きて帰ってきた。
できることなら彼をテイクアウトしたかったが…(笑)




部屋に帰った私達は、冷えた体を温めようと久しぶりにバスタブに浸かった。
日本人はやっぱりお湯に入らないと落ち着かないねー。

食事をして、久しぶりにテレビを見ながら床に就いた。




Pioggia a Assisi




翌日は朝からしとしと雨が降っていた。
とても静かな雨だ。


朝食用のダイニングに行くと、朝から元気なマンマとお腹の大きい若いシニョーラが準備をしていて、各席には可愛いらしい小さな花が飾られている。

アメリカから来たというやたらイタリア語の上手い男性が同席。(Italian American?)
手作りのJamがいろいろ、リコッタチーズにパン3種、そして美味いcaffeに濃厚なlatte。幸せな朝だ…。


Antonioさんがやってきて、車で20分ほどのAssisiの街まで。
"天気悪くて残念だね。イタリアの天気予報はあまり当たらないんだけど当たっちゃったねぇ"








コムーネ広場で迎えの時間を確認した後、有名なSan francesco修道院や教会、山の上の城塞を散策する。
道を一本入れば観光客の影も消え、ただただ静かだ。
なんだろう、この感覚は。
いつもは嫌いな雨が降ってるし、肌寒いし霧もでてきたのに、全然嫌じゃないのだ。
それどころか、心の汚れが落ちていくようで清々しい気分になる。
自然の力なのか神の力なのか。
そんなことを考えてしまう程、街は聖なる雰囲気に包まれていた。
(バカデカいPizzaは、ただ美味かったし、
ネーム刺繍サービスのファブリックの店ではカカとかサッカー選手と店主の写真を見て叫んだりしたけどね。)









夕方、宿に戻ったころには雨もやんできた。
よく歩いたからちょっと休憩…
とベッドでお喋りしてたら…
あっ8時半過ぎてる!

またまた慌ててダイニングへ。
ああ、またみんなもうスープを終えている。
なんだってこんなにみんな時間きっちり?
パパにまた寝てたのかと笑われる。
"No、違うよー"


今夜の隣席はベルギーから来たご夫婦と娘の3人家族。
Bruxelles から遥々ドライブして来たと言う。
England に住んでいたこともあるらしく、ご主人は仏語蘭語英語に伊語も話す。
身体が大きいせいか、人一倍食べて人一倍飲んでいた。
美人の娘さんは学校を卒業したばかりらしく、ナースとして働きながら精神科医を目指しているとか。
奥様は上品な話し方をする優しそうな方だ。
翌日は私達と同じく Orvieto まで行くという。
"乗せてあげればいいのだけどあいにく車が4人しか乗れないんだ"
素敵な家族だ。
ヴェニスで日本語を勉強したという可愛いらしいイタリアーナもいて、楽しい夕食だった。


それにしても欧米人はコミュニケーションがうまい。
相手を気遣いながら楽しく話が弾むように話題を提供してくれる。
そういう文化なんだろうね。
でも残念なことに、日本に興味を持っている人は少ない
(武術愛好家かアニメか忍者オタク以外は)。
だからもっと日本人も尻込みしてないで、
もっと世界とコミュニケーションすべきだといつも思う。
観光地で写真を撮りまくり、ブランドを買いあさるだけでなく…ね。



さて、今日もいっぱい歩いた、さっさと床につこう。



今夜のMenu
アンティパスト:卵のコンソメスープ、フリットの盛り合わせ
プリモ:ガチョウのレバーのパスタ
セコンド:ガチョウのロースト、ガランティーヌ、パプリカのマリネ、サラダ
デザート:ケーキ
コーヒー、食後酒


*ガチョウと聞いて「そういえばさっきそこに居た。。」と友人が冗談を言うと「ほんとにそうかもよ」とベルギー娘。
アグリツーリズモでは、そこで収穫した食材を使用しなければならない割合が決まっているので、ほとんどがその農場で採れたものなのだ。
だから、きっとこれも。。ふふ





2008年9月29日月曜日

Il Viaggio nel Autunno Tranquillo



さて、年中行事となりつつあるイタリアの旅から戻ってきた。
現実の生活はどんどん流れていくが、私の魂はまだ海の向こうにある。
空気、空間、色、音、味、匂い、時の流れ。
全身に染み込んでくるそれは私を心地良くする。
私の属すべき場所はいったいどこなのか。
まだ混乱が続いてる。


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例のごとく長いトランジットを経て、ローマ Fiumicino空港に夜遅く着いた。
やたらぶっ飛ばすタクシーに乗って Terimini 駅近くのホテルに到着。
外観は古い建物だが内装はモダンにリノヴェーションされている。
かわいい Stefano 君の居るフロントから一旦外に出て、
重い木の扉を電子キーで開ける仕組みだ。
廊下もバスルームも新しく居心地がいい。
本当にイタリア人はこういうことをさせると天才的だ。
飛行機であれこれ食べ続けた私達はシャワーの後すぐ眠りについた。



翌朝、すっきりと目覚める。
変な漢字のタトゥー(麻流故だってさ)を入れた男性の隣でとった朝食&美味い caffe の後、近くの古代浴場後や教会を訪ねた。
空気は乾燥しているものの陽射しはまだまだ強くかなり暑い。
さすがに大都会ローマは人も車も多く道を渡るのも命懸けといった感。
が、そこは信号無視もおてのものの関西人、Quando a Roma, faccia come i romani.
それにしても、都会の真ん中、近代的なビルの真横に古代ローマの城壁…圧倒される!



テルミニ駅構内でモツァレラとトマトとバジルのパニーノを買い、昼過ぎのペルージャ行Euro Star に乗り込む。
ホームでは、これはコルトナに行くのかだのと尋ねてくる観光客、私かて観光客やし?
平日の昼間だからか車内はすいている。
指定席も適当な感じだ。
出発時刻の何故か1分前に発車した列車は、ローマ市内を抜けて田園地帯を走り抜けてゆく。
途中、日本語を知っているとイィチ、ニイ、サァンと数字を叫ぶ車掌さんや、でっかい荷物を3つもかかえた杖をついたおじいさんと話をする。
なんとか言っては話すのが好きだよね、イタリア人。
約2時間の後、予定を15分ほど遅れてアッシジに到着した。








駅のホームでゴロロとまだ軽いスーツケースを転がしていると運転手の Antonio さんが現れた。
よっこいしょと車に乗り込むとバックミラーに招き猫、なんでやねん
"浅草で買ったんだ。ワイフが日本人でね"    なるほど。

狭い坂道をずずーっと昇りきり、馬たちの横を通り過ぎたそこに今夜の宿があった。
緑と土の香りにほんのり獣の匂い。
英語堪能なかわいい若旦那、Filippo が案内してくれた。
ロッジ風の部屋の窓からはプールと丘下の景色が見える。
ええやーん。
ローマとは打って変わって風が冷たく、それがまた気持ちいい。







夕方、マンマがダブルになっていたベッドをツインに直しにきてくれた。
暖かそうな布団も。
よかったぁ、風邪ひいてたよーあの Blanket だけぢゃー。

ベッドメーキングの間、マンマはずーっとイタリア語で私達にしゃべりまくっていた。
以前、日本人のユカという女性がスタッフとして働いていたらしいことはわかったが、半分以上何を言ってるかわからず…。
ただわかったのは、夕食は8時半から。
で、…ぬくぬくのベッドに入って…

うとうと…

隣の部屋の赤ん坊が泣き叫んでる

…うとうと…。

zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz






…あああああああああっ!目を覚ますともう9時を過ぎていた!
ご飯がぁー!なんで誰も呼びに来てくれないんだっ!

慌てて暗くなった坂道をダイニングまで駆け降りると、長いテーブルについたみんなはアンティパストを終えてもうパスタに入っている。
パパには「寝てたのか?」とばればれ。
ああ、やってもうた…。

やっとみんなに追い付き落ち着いたところで、隣の席のカップルとご挨拶。
オーストラリアはメルボルンからやってきた英国ウェールズ出身のご主人にシンガポール出身の奥様。
その隣は、もう10回も来ているというフランス訛りの英語を話すカナダのマダム。
反対側からはイタリア語フランス語英語のちゃんぽんが聞こえてくる。
全くインターナショナルな環境だ。



今夜の Menu は…
アンティパスト:豆のマリネ、生ハム、米のサラダ
プリモ:レバーのスパゲッティ
セコンド:ラムのロースト、ローストポテト&サラダ
デザート:スイカとチョコクリームケーキ
食後にコーヒーと食後酒。グラッパ、リモンチェッロ、なんとかというハーブのお酒から選ぶ。グラッパきつーいっ!



お腹もいっぱい、地元のワインもたっぷり飲んだし、いっぱい喋ったし…眠くて眠くて……Buona notte...zzz...